令和8年予備試験短答式試験の結果について(1)
~合格点の決定基準と論文の難易度予測~

1.令和8年予備試験短答式試験の結果が公表されています。合格点は165点。合格者数は、2668人でした。合格点は昨年より6点上昇し、合格者は昨年より76人減少しています。受験者合格率は21.4%で、昨年より0.6ポイントの下落となりました。合格点が上がり、合格者数がそれなりに減っているので、「何か意図があって合格者を絞っているのではないか。」という憶測も出てきそうです。

2.以下は、合格点、合格者数等の推移です。

年 受験者数 短答
合格者数
短答
合格率
短答
合格点
平成23 6477 1339 20.6% 165
平成24 7183 1711 23.8% 165
平成25 9224 2017 21.8% 170
平成26 10347 2018 19.5% 170
平成27 10334 2294 22.1% 170
平成28 10442 2426 23.2% 165
平成29 10743 2299 21.3% 160
平成30 11136 2612 23.4% 160
令和元 11780 2696 22.8% 162
令和2 10608 2529 23.8% 156
令和3 11717 2723 23.2% 162
令和4 13004 2829 21.7% 159
令和5 13372 2685 20.0% 168
令和6 12569 2747 21.8% 165
令和7 12432 2744 22.0% 159
令和8 12453 2668 21.4% 165

 短答式試験の合格点、合格者数については、平成25年から平成29年までは「2000人基準」、すなわち、「5点刻みで、最初に2000人を超えた得点が合格点となる。」というルールで、説明ができました(「平成29年予備試験短答式試験の結果について(1)」)。この時期の合格者数の増減は、意図的なものではなく、全くの偶然だったのでした。平成30年は、それが「2500人基準」へと、変更されたとみえました(「平成30年予備試験短答式試験の結果について(1)」)。それでも、「5点刻み」というルールは、維持されていたのでした。
 それが、令和元年になって、初めて5点刻みではない合格点となりました。それは、5点刻みの「2500人基準」とすると、合格者数が2911人となって、多くなり過ぎるということを考慮したのではないか、と思われたのでした(「令和元年予備試験短答式試験の結果について(1)」)。そして、令和2年以降も、5点刻みではない合格点が続きました。一昨年まで、当サイトでは、これを「1点刻みである。」と説明してきたのでした。その上で、1点刻みの「〇〇人基準」と考えた場合、毎年基準人数がブレブレになっているぞ、と説明してきたのでした(「令和6年予備試験短答式試験の結果について(1)」)。
 
そんな中、昨年、当サイトは大発見をしたのです。それは、令和元年以降の予備短答の合格点は、1つの例外もなく、すべて「3点刻みの2500人基準」で説明できるということでした(「令和7年予備試験短答式試験の結果について(1)」)。

3.それを踏まえて、今年の数字を見てみましょう。 以下は、「令和8年司法試験予備試験(短答式試験)得点別人員調」から、合格点である165点前後の得点の人員数をまとめたものです。

得点 累計人員
171 2081
168 2354
165 2668
162 2982
159 3281

 今年も、「3点刻みで、最初に2500人を超えた得点が合格点となる。」という3点刻みの「2500人基準」が成立していることが確認できます。合格者が昨年より76人減少しましたが、それは何らかの意図があったというのではなく、前後の人員分布による偶然にすぎないとみるべきでしょう。今後も、特別な事情がない限り、3点刻みの「2500人基準」で合格点が決まっていきそうです。

4.確定した短答合格者数2668人を基礎に、論文の難易度を試算しましょう。短答合格者の論文受験率は概ね96%です(「令和8年予備試験の出願者数について」)から、論文受験者数は、以下のとおり、2561人と試算できます。

 2668人×0.96≒2561人

 論文は、平成29年以降、一度の例外もなく、5点刻みの「450人基準」で説明できる合格者数で推移しています(「令和7年予備試験論文式試験の結果について(1)」)。年ごとの合格者数の変動は、前後の人員分布による偶然の結果にすぎない。そこで、平成29年以降の合格者数の平均値(473人)から合格者数を470人と仮定して、論文合格率を試算すると、以下のようになります。

 470人÷2561人≒18.3%

 論文合格率18.3%とは、どのくらいの水準なのか。過去の数字と比較してみましょう。

年
(平成)
論文
受験者数
論文
合格者数
論文合格率
23 1301 123 9.4%
24 1643 233 14.1%
25 1932 381 19.7%
26 1913 392 20.4%
27 2209 428 19.3%
28 2327 429 18.4%
29 2200 469 21.3%
30 2551 459 17.9%
令和元 2580 494 19.1%
令和2 2439 464 19.0%
令和3 2633 479 18.1%
令和4 2695 481 17.8%
令和5 2562 487 19.0%
令和6 2647 462 17.4%
令和7 2620 457 17.4%
令和8 2561? 470? 18.3%?

 数字の上での難易度は、昨年・一昨年よりは易しめで、令和3年とほぼ同じくらいになりやすい、ということが分かります。とはいえ、体感的にはほとんど例年どおりという感じでしょう。合格答案のイメージは、ほとんど変わらない。そう考えておいてよさそうです。

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