1.令和7年予備試験短答式試験の結果が公表されています。合格点は159点。合格者数は、2744人でした。合格点は昨年より6点下落し、合格者は昨年より3人減少しています。受験者合格率は22.0%で、昨年より0.2ポイントの上昇となりました。合格点の変動を除けば、ほぼ昨年と同じだったといえるでしょう。出願者が昨年と同数だった(「令和7年予備試験の出願者数について」)ことを考えると、当然の結果といえそうです。
2.以下は、合格点、合格者数等の推移です。
| 年 | 受験者数 | 短答 合格者数 |
短答 合格率 |
短答 合格点 |
| 平成23 | 6477 | 1339 | 20.6% | 165 |
| 平成24 | 7183 | 1711 | 23.8% | 165 |
| 平成25 | 9224 | 2017 | 21.8% | 170 |
| 平成26 | 10347 | 2018 | 19.5% | 170 |
| 平成27 | 10334 | 2294 | 22.1% | 170 |
| 平成28 | 10442 | 2426 | 23.2% | 165 |
| 平成29 | 10743 | 2299 | 21.3% | 160 |
| 平成30 | 11136 | 2612 | 23.4% | 160 |
| 令和元 | 11780 | 2696 | 22.8% | 162 |
| 令和2 | 10608 | 2529 | 23.8% | 156 |
| 令和3 | 11717 | 2723 | 23.2% | 162 |
| 令和4 | 13004 | 2829 | 21.7% | 159 |
| 令和5 | 13372 | 2685 | 20.0% | 168 |
| 令和6 | 12569 | 2747 | 21.8% | 165 |
| 令和7 | 12432 | 2744 | 22.0% | 159 |
短答式試験の合格点、合格者数については、平成25年から平成29年までは「2000人基準」、すなわち、「5点刻みで、最初に2000人を超えた得点が合格点となる。」というルールで、説明ができました(「平成29年予備試験短答式試験の結果について(1)」)。この時期の合格者数の増減は、意図的なものではなく、全くの偶然だったのでした。平成30年は、それが「2500人基準」へと、変更されたとみえました(「平成30年予備試験短答式試験の結果について(1)」)。それでも、「5点刻み」というルールは、維持されていたのでした。
それが、令和元年になって、初めて5点刻みではない合格点となりました。それは、5点刻みの「2500人基準」とすると、合格者数が2911人となって、多くなり過ぎるということを考慮したのではないか、と思われたのでした(「令和元年予備試験短答式試験の結果について(1)」)。そして、令和2年以降も、5点刻みではない合格点が続きました。昨年まで、当サイトでは、これを「1点刻みである。」と説明してきたのでした。その上で、1点刻みの「〇〇人基準」と考えた場合、毎年基準人数がブレブレになっているぞ、と説明してきたのでした(「令和6年予備試験短答式試験の結果について(1)」)。
しかし、です。今年、改めて令和元年以降の合格点を眺めてみて、気が付いたことがありました。令和元年以降の合格点を再掲しましょう。
| 年 (令和) |
短答 合格点 |
| 元 | 162 |
| 2 | 156 |
| 3 | 162 |
| 4 | 159 |
| 5 | 168 |
| 6 | 165 |
| 7 | 159 |
「全部3で割り切れるじゃん!」
「だからなに?」と思うかもしれない。落ち着いて聞いてください。合格点がすべて3で割り切れるということは、ひょっとすると、合格点が「3点刻み」で決まっているかもしれない、ということを意味するのです。そこで、「もしや。」と思った私は、改めて、令和元年以降の得点別人員調を確認し、3点刻みの「〇〇人基準」で説明できるのではないか、と調べ直したのでした。その結果を年別にまとめたものが、以下の表です。太字強調部分が、その年の合格点に対応します。
| 令和元年 | |
| 得点 | 累計人員 |
| 168 | 2019 |
| 165 | 2340 |
| 162 | 2696 |
| 159 | 3005 |
| 156 | 3340 |
| 令和2年 | |
| 得点 | 累計人員 |
| 162 | 1997 |
| 159 | 2258 |
| 156 | 2529 |
| 153 | 2804 |
| 150 | 3121 |
| 令和3年 | |
| 得点 | 累計人員 |
| 168 | 2161 |
| 165 | 2455 |
| 162 | 2723 |
| 159 | 3010 |
| 156 | 3323 |
| 令和4年 | |
| 得点 | 累計人員 |
| 165 | 2169 |
| 162 | 2495 |
| 159 | 2829 |
| 156 | 3157 |
| 153 | 3500 |
| 令和5年 | |
| 得点 | 累計人員 |
| 174 | 2054 |
| 171 | 2373 |
| 168 | 2685 |
| 165 | 3014 |
| 162 | 3353 |
| 令和6年 | |
| 得点 | 累計人員 |
| 171 | 2101 |
| 168 | 2395 |
| 165 | 2747 |
| 162 | 3047 |
| 159 | 3333 |
「2500人基準じゃん!」
落ち着いて確認してください。どの年を見ても、「3点刻みで、最初に2500人を超えた得点が合格点となる。」というルールで、説明できてしまいます。今ごろ気付いたじゃねーかwwwこれは大発見ですわwww落ち着いてください。
3.以上の経緯を踏まえて、今年の数字をみてみましょう。以下は、法務省の得点別人員調から、合格点である159点前後の得点の人員数をまとめたものです。
| 得点 | 累計人員 |
| 165 | 2188 |
| 162 | 2471 |
| 159 | 2744 |
| 156 | 3032 |
| 153 | 3318 |
「美しい。」と形容し得るほどに、今年も、「3点刻みで、最初に2500人を超えた得点が合格点となる。」という3点刻みの「2500人基準」が成立しています。
これまで、当サイトでは、毎年、基準人数が変動しているという理解の下に、そのような変動がどうして生じたのかについて、ああでもない、こうでもないと考察をしてきたのでした。それらはすべて、全くの無意味であった可能性が高いといえるでしょう。令和元年以降の短答式試験の合格者数の変動は、合格点付近の人員分布による単なる偶然であった、ということです。
4.短答が、令和元年以降、一貫して3点刻みの「2500人基準」で説明できることが分かりましたが、論文については、平成29年以降、一度の例外もなく、「450人基準」で説明できる合格者数になっていることが分かっています(「令和6年予備試験論文式試験の結果について(1)」)。
そこで、今年の短答合格者2744人を基礎に試算をしてみます。短答合格者の論文受験率は概ね96%です(「令和7年予備試験の出願者数について」)から、論文受験者数は、以下のとおり、2634人と試算できます。
2744人×0.96≒2634人
その上で、論文合格者数480人という想定で論文合格率を試算すると、以下のようになります。
480人÷2634人≒18.2%
論文合格率18.2%とは、どのくらいの水準なのか。過去の数字と比較してみましょう。
| 年 (平成) |
論文 受験者数 |
論文 合格者数 |
論文合格率 |
| 23 | 1301 | 123 | 9.4% |
| 24 | 1643 | 233 | 14.1% |
| 25 | 1932 | 381 | 19.7% |
| 26 | 1913 | 392 | 20.4% |
| 27 | 2209 | 428 | 19.3% |
| 28 | 2327 | 429 | 18.4% |
| 29 | 2200 | 469 | 21.3% |
| 30 | 2551 | 459 | 17.9% |
| 令和元 | 2580 | 494 | 19.1% |
| 令和2 | 2439 | 464 | 19.0% |
| 令和3 | 2633 | 479 | 18.1% |
| 令和4 | 2695 | 481 | 17.8% |
| 令和5 | 2562 | 487 | 19.0% |
| 令和6 | 2647 | 462 | 17.4% |
| 令和7 | 2634? | 480? | 18.2%? |
数字の上での難易度は、昨年よりはわずかに易しめで、令和3年とほぼ同じくらいになりやすい、ということが分かります。とはいえ、体感的にはほとんど例年どおりという感じでしょう。合格答案のイメージは、ほとんど変わらない。そう考えておいてよさそうです。