刑法穴埋めを最短でやっつける方法その1
(令和7年司法試験・予備試験短答刑法)

1.令和7年司法試験短答刑法では、久しぶりにハードな穴埋めが出題されました。これまでも、穴埋め問題は出題されていましたが、頭から順番に埋めても十分に時間が足りるような内容でした。なので、特別な解法は必要なかったのです。
 それが、今年は違う。普通に埋めていると、時間が足りないようになっています。最近の受験生は、「なんじゃこりゃあ!」と思ったことでしょう。しかし、旧司法試験時代の穴埋めを知っている当サイトからすれば、「久しぶりですね。」という感じです。この手の問題は、最短でやっつける確立された方法論がある。今回は、それを説明しましょう。

2.今回は、司法試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)を見ていきます。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用)

 学生A及びBは、【事例】について、【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑪までの( )内に【語句群】から適切なものを入れた場合、正しいものの組合せは1から5までのうちどれか。なお、①から⑪までの( )内には、それぞれ異なるものが入る。(解答欄は、[No.2])

【事 例】
 甲は、乙所有の飼い犬(以下「乙犬」という。)が甲所有の飼い犬(以下「甲犬」という。)に突然襲い掛かったため、甲犬を守る目的で、持っていた甲所有の傘で乙犬を殴り、乙犬に怪我を負わせた。

【会 話】
 学生A.乙犬が甲犬に襲い掛かったことについて、乙に故意・過失が(①)場合、甲が乙犬に怪我を負わせた行為に(②)の成立を認めるかが問題になりますね。

 学生B.私は、「(③)」は人間の行為に(④)と考えるので、(②)の成立を(⑤)。そのため、(⑥)の成否が問題になります。

 学生A.(⑦)と(⑧)を必要とする(⑥)の限度でしか対抗できないというのでは、(⑨)の保護が不十分ではないですか。

 学生B.乙に故意・過失が(⑩)場合、(②)が成立し得るので、不都合はありません。

 学生A.(⑥)の法的性格について、どう考えますか。

 学生B.(⑥)は、(⑦)を要件としているので、違法性阻却事由であると考えます。

 学生A.そうすると、(⑥)に当たる行為に対して(②)は(⑪)ことになりますね。

【語句群】
a.ある b.ない c.正当防衛 d.緊急避難
e.不正の侵害 f.現在の危難 g.限られる h.限られない
i.認めます j.認めません k.補充性 l.法益均衡
m.甲 n.乙 o.成立し得る p.成立し得ない

1.①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
2.①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
3.②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
4.②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
5.③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

(引用終わり)

 「11個も穴埋めがある。急いで埋めないと!」と思いつつ、頭から埋めに行った人は甘い。この種の穴埋めは、「全部埋めない。」のが基本です。まず、①から⑪までのうち、2回以上出てくるものを探す。それが、手掛かりになるからです。そうすると、②がやたらたくさん出てくることに気が付くでしょう。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用。太字強調は筆者)

【会 話】
 学生A.乙犬が甲犬に襲い掛かったことについて、乙に故意・過失が(①)場合、甲が乙犬に怪我を負わせた行為に(②)の成立を認めるかが問題になりますね。

 学生B.私は、「(③)」は人間の行為に(④)と考えるので、(②)の成立を(⑤)。そのため、(⑥)の成否が問題になります。

 学生A.(⑦)と(⑧)を必要とする(⑥)の限度でしか対抗できないというのでは、(⑨)の保護が不十分ではないですか。

 学生B.乙に故意・過失が(⑩)場合、(②)が成立し得るので、不都合はありません。

 学生A.(⑥)の法的性格について、どう考えますか。

 学生B.(⑥)は、(⑦)を要件としているので、違法性阻却事由であると考えます。

 学生A.そうすると、(⑥)に当たる行為に対して(②)は(⑪)ことになりますね。

(引用終わり)

 「じゃあ、②に何が入るかを語句群から探せばいいの?」と思ったなら、それも甘い。「選択肢で指定された語句が入るかだけを見る。」のが、適切な解法です。そうすると、「c.正当防衛」と「d.緊急避難」の2択であることが分かるでしょう(※)。
 ※ 厳密には、どちらも入らない可能性もありますが、例外です。2択で考えていって、「おかしい。」と思ったなら、そこで両方入らない可能性を考えればよく、その場合には、一度に2つ以上の選択肢を消去できる、というだけのことです。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用。太字強調は筆者)

【語句群】
a.ある b.ない c.正当防衛 d.緊急避難
e.不正の侵害 f.現在の危難 g.限られる h.限られない
i.認めます j.認めません k.補充性 l.法益均衡
m.甲 n.乙 o.成立し得る p.成立し得ない

1.①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
2.①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
3.②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
4.②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
5.③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

(引用終わり)

 じゃあ、②に「c.正当防衛」と「d.緊急避難」のどちらが入るか。すぐ確定できるものがないかを探します。そうすると、Bの第1発言の「(②)の成立を(⑤)。そのため、(⑥)の成否が問題になります。」のところから突破できそうだ、という感触を持つことができるでしょう。もっとも、該当箇所にも括弧があるので、すぐ確定できない。ここが、この問題がハードである所以です。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用。太字強調は筆者)

【会 話】
 学生A.乙犬が甲犬に襲い掛かったことについて、乙に故意・過失が(①)場合、甲が乙犬に怪我を負わせた行為に(②)の成立を認めるかが問題になりますね。

 学生B.私は、「(③)」は人間の行為に(④)と考えるので、(②)の成立を(⑤)。そのため、(⑥)の成否が問題になります。

 学生A.(⑦)と(⑧)を必要とする(⑥)の限度でしか対抗できないというのでは、(⑨)の保護が不十分ではないですか。

 学生B.乙に故意・過失が(⑩)場合、(②)が成立し得るので、不都合はありません。

 学生A.(⑥)の法的性格について、どう考えますか。

 学生B.(⑥)は、(⑦)を要件としているので、違法性阻却事由であると考えます。

(引用終わり)

 ⑤と⑥の候補は何か、選択肢をみると、⑤は、「i.認めます」、「j.認めません」の2択、⑥は、②と同じ「c.正当防衛」と「d.緊急避難」の2択であることが分かります。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用。太字強調は筆者)

【語句群】
a.ある b.ない c.正当防衛 d.緊急避難
e.不正の侵害 f.現在の危難 g.限られる h.限られない
i.認めます j.認めません k.補充性 l.法益均衡
m.甲 n.乙 o.成立し得る p.成立し得ない

1.①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
2.①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
3.②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
4.②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
5.③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

(引用終わり)

 「まず正当防衛の成否を検討して、無理なら緊急避難」という検討順序は、論文でも使うでしょう。その逆はない。そこが分かっていれば、「(②)の成立を(⑤)。そのため、(⑥)の成否が問題になります。」の文章で、②と⑥に「c.正当防衛」と「d.緊急避難」のどっちかが入ると分かれば、②が「c.正当防衛」で、⑥が「d.緊急避難」しかない。そして、⑤は、「j.認めません」しかないでしょう。こうして、②にc、⑤にj、⑥にd以外が入っている選択肢、すなわち、1と4は、この時点で切ることができるのでした。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用。太字強調は筆者)

1.①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
2.①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
3.②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
4.②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
5.③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

(引用終わり)

 その上で選択肢を見ると、⑦と⑧で2、3、5が割れているので、⑦と⑧を注目しましょう。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用)

【会 話】
 学生A.乙犬が甲犬に襲い掛かったことについて、乙に故意・過失が(①)場合、甲が乙犬に怪我を負わせた行為に(②)の成立を認めるかが問題になりますね。

 学生B.私は、「(③)」は人間の行為に(④)と考えるので、(②)の成立を(⑤)。そのため、(⑥)の成否が問題になります。

 学生A.(⑦)と(⑧)を必要とする(⑥)の限度でしか対抗できないというのでは、(⑨)の保護が不十分ではないですか。

 学生B.乙に故意・過失が(⑩)場合、(②)が成立し得るので、不都合はありません。

 学生A.(⑥)の法的性格について、どう考えますか。

 学生B.(⑥)は、(⑦)を要件としているので、違法性阻却事由であると考えます。

 学生A.そうすると、(⑥)に当たる行為に対して(②)は(⑪)ことになりますね。

【語句群】
a.ある b.ない c.正当防衛 d.緊急避難
e.不正の侵害 f.現在の危難 g.限られる h.限られない
i.認めます j.認めません k.補充性 l.法益均衡
m.甲 n.乙 o.成立し得る p.成立し得ない

1.①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
2.①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
3.②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
4.②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
5.③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

(引用終わり)

 語句群と選択肢を見ると、⑦と⑧は、どちらも「k.補充性」か「 l.法益均衡」の2択であると分かる。そして、⑦は違法性阻却事由であることの根拠になるというのだから、「 l.法益均衡」しかない。これは、論文用の論証としても、覚えておくべき知識でした(『司法試験定義趣旨論証集刑法総論【第2版】』「緊急避難の法的性質」の項目を参照)。こうして、⑦に「 l.法益均衡」が、⑧に「k.補充性」が入ると分かるのです。これで、2の選択肢は消去できる。後は、3か5の2択となりました。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用。太字強調は筆者)

1.①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
2.①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
3.②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
4.②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
5.③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

(引用終わり)

 3と5で明確に食い違っているのは、⑪です。そこで、⑪がある文章を見てみましょう。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用)

 学生A.(⑥)の法的性格について、どう考えますか。

 学生B.(⑥)は、(⑦)を要件としているので、違法性阻却事由であると考えます。

 学生A.そうすると、(⑥)に当たる行為に対して(②)は(⑪)ことになりますね。

(引用終わり)

 ⑪は、「o.成立し得る」、「p.成立し得ない」の2択です。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用。太字強調は筆者)

【語句群】
a.ある b.ない c.正当防衛 d.緊急避難
e.不正の侵害 f.現在の危難 g.限られる h.限られない
i.認めます j.認めません k.補充性 l.法益均衡
m.甲 n.乙 o.成立し得る p.成立し得ない

1.①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
2.①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
3.②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
4.②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
5.③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

(引用終わり)

 ②は「c.正当防衛」、⑥は「d.緊急避難」が入るので、「(⑥)に当たる行為に対して(②)は(⑪)ことになりますね。」は、「(緊急避難)に当たる行為に対して(正当防衛)は(⑪)ことになりますね。」となる。そして、直前のB発言は違法性阻却事由のことを言っているので、⑪は、「p.成立し得ない」が入ると分かる。この時点で、5が正解になることが確定しました。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用。太字強調は筆者)

【語句群】
a.ある b.ない c.正当防衛 d.緊急避難
e.不正の侵害 f.現在の危難 g.限られる h.限られない
i.認めます j.認めません k.補充性 l.法益均衡
m.甲 n.乙 o.成立し得る p.成立し得ない

1.①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
2.①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
3.②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
4.②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
5.③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

(引用終わり)

 ここまで、マトモに【事例】を読んでいない、ということもポイントです。解答に必要かどうかを確認しないまま、漫然と【事例】を読んでいる時点で、甘いのですね。時間にシビアな試験では、不必要なものは極力見ない、ということが必要なのです。

3.全体を解いて、時間が余ったなら、5の肢の語句を実際に入れて読んでみて、違和感がないか確かめるとよいでしょう。ここまで、文章にして説明しているので長く感じるかもしれませんが、脳内で作業すると、数十秒で処理できます。慣れれば、もっと早く解けてしまうかもしれません。

4.別解を考えてみましょう。先ほどは、最初に4つ存在する②から入っていきました。しかし、実は⑥が5つ存在しているので、こちらから入る解法も成立します。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用)

【会 話】
 学生A.乙犬が甲犬に襲い掛かったことについて、乙に故意・過失が(①)場合、甲が乙犬に怪我を負わせた行為に(②)の成立を認めるかが問題になりますね。

 学生B.私は、「(③)」は人間の行為に(④)と考えるので、(②)の成立を(⑤)。そのため、(⑥)の成否が問題になります。

 学生A.(⑦)と(⑧)を必要とする(⑥)の限度でしか対抗できないというのでは、(⑨)の保護が不十分ではないですか。

 学生B.乙に故意・過失が(⑩)場合、(②)が成立し得るので、不都合はありません。

 学生A.(⑥)の法的性格について、どう考えますか。

 学生B.(⑥)は、(⑦)を要件としているので、違法性阻却事由であると考えます。

 学生A.そうすると、(⑥)に当たる行為に対して(②)は(⑪)ことになりますね。

(引用終わり)

 すぐ判断できそうなのは、学生Bの第3発言の「(⑥)は、(⑦)を要件としているので、違法性阻却事由であると考えます。」のところです。ここで語句群と選択肢を見る。そうすると、⑥は「c.正当防衛」と「d.緊急避難」の2択、⑦は「k.補充性」、「l.法益均衡」の2択と分かります。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用)

【語句群】
a.ある b.ない c.正当防衛 d.緊急避難
e.不正の侵害 f.現在の危難 g.限られる h.限られない
i.認めます j.認めません k.補充性 l.法益均衡
m.甲 n.乙 o.成立し得る p.成立し得ない

1.①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
2.①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
3.②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
4.②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
5.③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

(引用終わり)

 それだけで、「(⑥)は、(⑦)を要件としているので、違法性阻却事由であると考えます。」の⑥は「d.緊急避難」が、⑦は「l.法益均衡」が入ると分かる。この時点で、2と4の選択肢が消えます。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用)

1.①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
2.①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
3.②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
4.②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
5.③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

(引用終わり)

 1、3、5をどう絞っていくか。学生Bの第3発言の穴埋めが確定したので、これを受けて、「そうすると、」となっている学生Aの第4発言が埋めやすそうです。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用)

 学生B.(⑥)は、(⑦)を要件としているので、違法性阻却事由であると考えます。

 学生A.そうすると、(⑥)に当たる行為に対して(②)は(⑪)ことになりますね。

【語句群】
a.ある b.ない c.正当防衛 d.緊急避難
e.不正の侵害 f.現在の危難 g.限られる h.限られない
i.認めます j.認めません k.補充性 l.法益均衡
m.甲 n.乙 o.成立し得る p.成立し得ない

1.①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
2.①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
3.②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
4.②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
5.③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

(引用終わり)

 ②は「c.正当防衛」と「d.緊急避難」の2択なのですが、①から⑪までの( )内には、それぞれ異なるものが入るので、⑥に「d.緊急避難」が入った時点で、②は「c.正当防衛」に確定です。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用)

 学生A及びBは、【事例】について、【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑪までの( )内に【語句群】から適切なものを入れた場合、正しいものの組合せは1から5までのうちどれか。なお、①から⑪までの( )内には、それぞれ異なるものが入る。(解答欄は、[No.2])

 (中略)

 学生B.(⑥)は、(⑦)を要件としているので、違法性阻却事由であると考えます。

 学生A.そうすると、(⑥)に当たる行為に対して(②)は(⑪)ことになりますね。

【語句群】
a.ある b.ない c.正当防衛 d.緊急避難
e.不正の侵害 f.現在の危難 g.限られる h.限られない
i.認めます j.認めません k.補充性 l.法益均衡
m.甲 n.乙 o.成立し得る p.成立し得ない

1.①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
2.①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
3.②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
4.②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
5.③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

(引用終わり)

 ここまで来れば、⑪には、「o.成立し得る」ではなく、「p.成立し得ない」が入ることは明らかでしょう。これで、3の選択肢が消えました。後は、1と5の2択ですね。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用)

1.①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
2.①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
3.②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
4.②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
5.③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

(引用終わり)

 1と5で、食い違っているのは、⑩です。そこを見る。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用)

 学生B.乙に故意・過失が(⑩)場合、(②)が成立し得るので、不都合はありません。

 (中略)

【語句群】
a.ある b.ない c.正当防衛 d.緊急避難
e.不正の侵害 f.現在の危難 g.限られる h.限られない
i.認めます j.認めません k.補充性 l.法益均衡
m.甲 n.乙 o.成立し得る p.成立し得ない

1.①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
2.①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
3.②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
4.②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
5.③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

(引用終わり)

 ②には「c.正当防衛」が入るので、正当防衛が成立し得るのが、乙に故意・過失がある場合かない場合かの2択です。「乙」って一体誰だよ、という感じなので、ここで【事例】を見る。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用)

【事 例】
 甲は、乙所有の飼い犬(以下「乙犬」という。)が甲所有の飼い犬(以下「甲犬」という。)に突然襲い掛かったため、甲犬を守る目的で、持っていた甲所有の傘で乙犬を殴り、乙犬に怪我を負わせた。

(引用終わり)

 ざっと見ただけで、典型的な対物防衛事例だ、と分かるでしょう。「乙」は、襲ってきた犬の飼い主なので、故意過失があれば、対物防衛否定説からも、甲に正当防衛が成立し得る。そのことだろう、と分かれば、⑩は「a.ある」になりそう。ただ、若干はっきりしないところもあるので、その前のA発言をチラっと見ます。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用)

 学生A.(⑦)と(⑧)を必要とする(⑥)の限度でしか対抗できないというのでは、(⑨)の保護が不十分ではないですか。

 学生B.乙に故意・過失が(⑩)場合、(②)が成立し得るので、不都合はありません。

(引用終わり)

 これを見れば、要するにAは対物防衛否定説だと緊急避難でしか対抗できなくて不当だ、と言っているよね、と分かる。⑩は「a.ある」で間違いないと確信できます。こうして、1の選択肢が消え、5が正解と確定できるのです。なお、⑨に「甲」が入るとすぐ分かるでしょうが、そんなもん埋める意味ありません。

(令和7年司法試験短答式試験刑法第2問(予備試験刑法・刑訴法第2問)より引用)

【語句群】
a.ある b.ない c.正当防衛 d.緊急避難
e.不正の侵害 f.現在の危難 g.限られる h.限られない
i.認めます j.認めません k.補充性 l.法益均衡
m.甲 n.乙 o.成立し得る p.成立し得ない

1.①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
2.①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
3.②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
4.②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
5.③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

(引用終わり)

5.②から埋めるルートだと、【事例】は一切見なくても解けるのですが、穴埋めが少しややこしい。⑥から埋めるルートだと、穴埋めはスムーズですが、途中で事例を見なければいけない。どちらも一長一短ですが、いずれも短時間で解けます。穴埋めは、このようにして解くのです。

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