Amazonより、「司法試験定義趣旨論証集刑法総論【第2版】」を発売しました。
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以下は、本書の概要及び収録論点の一覧です。
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【本書の概要】 1.本書は、司法試験・予備試験の論文式試験対策として、覚えておくと役に立つ刑法総論の定義、趣旨、論証をまとめたものです。 2.受験生の多くが用いている論証の中には、今では法学部でも法科大学院でも教えていない化石のような古い学説に依拠しており、それを書くだけで予備校論証を丸暗記してきたことが分かるものが少なくありません。刑法では、それが顕著です。平成30年司法試験の採点実感では、「総じて、規範定立部分については、いわゆる論証パターンをそのまま書き写すことだけに終始しているのではないかと思われるものが多く……(略)……論述として、表面的にはそれらしい言葉を用いているものの、論点の正確な理解ができていないのではないかと不安を覚える答案が目に付いた。」と指摘されています。近年の刑事法学の学説・判例の進展は目覚ましく、予備校はこれに十分に対応できていないと感じます。本書では、受験対策という観点を踏まえつつも、最新の学説・判例を踏まえた論証を作成しました。「実行行為とは、法益侵害惹起の具体的現実的危険を有する行為である。」、「故意責任の本質は反規範的人格態度に対する道義的非難である。」のようなフレーズに代表される、かつての団藤説を基調とする論証の問題点も、「※注」(後記4参照)において、適宜具体的に説明しています。 3.論証は、単に最新の学説・判例の文言・表現をそのまま借用して作成すればよい、というものではありません。実際に答案に書くことを考慮した適切な表現を用いる必要があります。最近、短期合格者などが自作論証集等を公表する例が増えていますが、その多くが単に予備校論証を微修正して「オリジナル」と称するものである中で、基本書等を自分で参照して、真に「オリジナル」の論証を作成したとみえるものも一定数存在します。しかし、残念ながら、そのような真の「オリジナル」論証は、当該学説・判例が念頭に置いている事案においてしか通用しないような文言・表現をそのまま用いてしまっているために、実際にそれを答案に使おうとすると全然使えない、というようなものが多いと感じます。それはなぜかというと、圧倒的に制作期間が短い(長くても半年程度)からです。学説・判例が用いる特定の文言を変更するには、その文言の意味を理解しなければならない。基本書だけではそれは分からないので、学術論文等に遡って調査することになります。短期合格者は、そんなことはしません。なぜなら、そんなことをしていては、合格から修習までの間に公表することができなくなってしまうからです。その結果、十分な調査を経ていない粗雑な内容の教材を公表することになる。これが、短期合格者の「オリジナル」論証等の内容が不十分ないし不適切なものになる原因です。とりわけ、刑法は、論者の採用する理論体系を理解していないと、論理矛盾やあり得ない結論に陥ってしまいがちです。本書を作成するに当たっては、基本書やコンメンタールの類はもちろん、学術論文等も多数参照しつつ、近年の出題傾向等を加味し、答案にそのまま書けるような論証となるよう工夫を凝らしています。 4.それぞれの論証については、必要に応じて、「※」で注を付し、解説を加えました。一般的な基本書等で十分な説明がない箇所については、かなり詳細になっていることもあります。本書は、論証集の形式を採っていますが、刑法総論の論点に関する解説書としての性質も兼ね備えています。 5.条文や判例集が手元になくても不便を感じないよう、学習の便宜を考慮し、適宜、参照条文・参照判例等に関する情報を付記しました。
6.各論証には、重要度に応じて、項目ごとにAAからCまでのランクを付しています。AA及びAランクについては、見出しに「☆」マークを付しました。目次で、「☆」マークの付いている論点はAランク以上であるということが分かるので、優先して学習するとよいでしょう。 7.予備校論証にありがちなものとして、必ずしも必要のない理由付けや場合分けまで論証に含まれてしまっているため、それをそのまま書くと余事記載になってしまう、というものがあります。令和3年司法試験の採点実感では、「規範定立部分については、論証パターンの書き写しに終始しているのではないかと思われるものが多く、中には、本問を論じる上で必要のない点についてまで論証パターンの一環として記述を行うものもあった」と指摘されており(令和4年、2年、元年、平成29年、28年の採点実感も同旨)、平成30年司法試験の採点実感では、「刑法の自由保障機能や罪刑法定主義との関係に触れる紋切り型の論証パターンを用いて、不真正不作為犯の処罰根拠から書き始める答案が数多く見られた。これらは、本問の事案内容に即し、何を厚く論じるべきかを考えていない、あるいは、理解できていない答案と言わざるを得なかった。」と指摘されています。本書では、規範と理由付けの論証を分けて掲載したり、論じるべき場合が異なるものは分けて掲載したりするなど、そのまま覚えて使いやすいものになるよう工夫しました。 8.一般に、論文式試験では、規範の理由付けや他説批判の配点は、再現答案を比較しても差が分からないほど著しく低いのが通例で、刑法も例外ではありません。もっとも、刑法では、従来から、出題趣旨・採点実感において、理由付けや他説批判に言及される傾向があります。例えば、平成21年新司法試験論文式試験問題出題趣旨では、「論述においては、刑法解釈上の論点に関する学説等の立場・見解の相違によって結論が異なり得る個々の問題点については、自らの採る結論のみならず、それが正当であるとする論拠を説得的に論述することが必要である。ただし、その場合、飽くまでも本問の事実関係を前提に、結論を導くのに必要な点を中心に論ずるべきであって、本問の事実関係からかけ離れた一般論や結論を左右しない論点に関する理論的対立の検討に力を注ぐのは、出題意図にかなうものとは言えないであろう。」と指摘され、令和2年司法試験の採点実感では、「一般的に重要と考えられる論点を学習するに当たっては、一つの見解のみならず、他の主要な見解についても、その根拠や難点等に踏み込んで理解することが要請される。」と指摘されています。また、近年の傾向として、理論面を正面から問う出題もみられるようになってきました。そのような傾向変化の兆しも考慮して、本書では、規範の理由付けや他説批判についても、必要と思われるものについては、論証を用意しました。 9.実務上、判例は年月日、判例集登載頁等によって特定されますが、これを覚えて答案に書くというのは現実的ではありません。講学上は事件名で特定するという方法が用いられており、事件名で特定できるか否かは、学生の実力を測る一資料になっています。例えば、「クロロホルム事件」と言われても何のことだか分からず、ポカンとしているような学生は、明らかに勉強不足である、と評価されることでしょう。租税法のものではありますが、令和3年採点実感では、「限られた試験時間内で答案を作成する以上、答案における判例等への言及と言っても、特別なことが要求されるわけではない。例えば、「~については~と解すべきである(判例同旨)。」「判例によれば、~は~と解されている。」などの表現で、自説と判例との関係を自覚していることが示されていれば、一応は必要性を満たしている。」、「中には事件名(通称)を付して引用している答案も見られた。これらの答案には、相応の高い評価を与えたことを強調しておきたい。」と指摘されており、令和4年採点実感では、「司法試験の解答に際しては、論点について判例・裁判例がある場合、問題文に特に「判例に言及しつつ」などの指示がなされていなくても、これに言及することが、原則として必要だと理解すべきである。事件名等(教育現場においても通称を付す等の工夫をしている)が書かれてない答案でも判例・裁判例の規範が再現されていればそれなりの採点をするところ、判例・裁判例の規範を再現しているかどうか迷うレベルの答案に関して「(~事件参照)」のような補足があれば採点者も安心して判例・裁判例の規範が再現されているものとして採点することができるので、判例・裁判例の理解に基づいて答案を書いている際はそのことをアピールしてほしい。」と指摘されています。そのような観点から、本書では、参照判例について事件名で特定できるものは、論証中に事件名を明示するようにしています。もっとも、事件名が書いていない、というそれだけの理由で大きく減点される、などということは、あり得ないことです。事件名は、学習の過程で自然に覚えたものを答案上で摘示すればよく、無理をして事件名だけを覚えようとする必要はありません。大事なのは、判例の趣旨を適切に表現できることです。上記採点実感でも、「言わずもがなではあるが、「(~事件参照)」とあるだけで判例・裁判例の規範が再現されていない答案は加点には値しない。」と指摘されています。 10.通常表示と暗記カード表示の2つの表示形式のものを掲載しました。両者は表示方法が違うだけで、論証の中身は同じです。暗記カード表示は、論点の項目名と論証の間で改ページがされていますので、論点名を見て論証の中身を思い出し、次のページで内容の確認をするという使い方ができます。前半に通常表示のものを掲載し、後半に暗記カード表示のものが掲載されていますので、適宜目次などから選んで利用していただければと思います。 |
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【収録論点の一覧】 【行為】 ・行為の意義 【不作為犯】 ・☆作為と不作為の区別 【間接正犯】 ・間接正犯 【不能犯】 ・不能犯 【実行の着手】 ・☆実行の着手時期(43条本文) 【中止犯】 ・中止犯(43条ただし書)の法的性質 【予備】 ・予備の中止 【因果関係】 ・☆因果関係の判断基準 【正当防衛】 ・☆「急迫」(36条1項)の意義 【緊急避難】 ・☆緊急避難の法的性質 【その他の違法性阻却事由】 ・傷害罪(204条)における被害者の同意の法的性質 【故意】 ・☆故意の意義 【過失】 ・☆過失の意義 【責任】 ・心神喪失(39条1項)の意義 【共犯一般】 ・☆共犯の処罰根拠 【共同正犯】 ・共同正犯の正犯性(60条)の根拠 【教唆犯】 ・「教唆」(61条)の意義 【従犯】 ・「幇助」(62条1項)の意義 【罪数その他】 ・既遂を遂げた場合の複数の未遂犯 |